万葉の月


古えの詩は
君との抱擁の瞬き
離れし我が身を呪う
防人達の吐息

愛しき文は
彼岸に咲く一輪の花
焦がれし我が身を救ふ
清浄なる風

旅の終わりに
帰りたまふと
偲びつつ想ふ

夢の泡沫に
架かりし橋なれど
愛しき君に逢いたい

万葉の月
天つ降りし調べに願ふ
満ち足りしときは
再び出会いしと


水面に浮かぶ鏡月
いと恋しと風に揺れ
照らし君が隠したまえば
我が身も隠したもう運命


言葉の羽根に
届きたまへと
織り綴る想い

夢の泡沫に
架かりし橋なれど
愛しき君に逢いたい

万葉の月
久遠に流るる調べに願ふ
満ち足りしときは
君に出会いしと


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